【事業再構築補助金2023】新設!産業構造転換枠を丁寧解説
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2023年2月に発表された「事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要」によると、2023年度以降の事業再構築補助金には大きな変化がいくつかあります。
その一つが「産業構造転換枠」の創設です。この枠は、業界の構造を変えるための取り組みが支援の対象になります。本枠で採択されれば、これまでになかった大規模な取り組みが可能です。
それでは産業構造転換枠について、詳しく見ていきましょう。
目次
産業構造転換枠とは業界が抱える課題の解決への取り組み
産業構造転換枠は、日本経済の構造的な課題への取り組みを通して、業界が抱える課題の解決を支援するものです。具体的な内容や細かい要件を把握しておきましょう。
創設の背景と目的
新型コロナウイルスの流行や物価の高騰は、事業活動に大きな影響を与えています。そこで、厳しい状況に陥っている業界を支援するために、産業構造転換枠が創設されました。業界自体が縮小している場合に事業を存続させるためには、事業の拡大や新事業の展開など、大胆な転換が必要です。支援によって危機に瀕した業界の構造転換を促し、日本経済全体をより強いものにすることが狙いです。
対象となる事業者と要件
産業構造転換枠に応募するには、全枠共通の必須要件に加えて、枠の個別の要件を満たす必要があります。
全枠共通の必須要件
まずは全枠に共通する必須要件を見てみましょう。A・Bのいずれも満たす必要があります。なおBについて、どの枠でも付加価値額自体の増加は必須ですが、割合は枠によって異なります。
A:事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む
B:補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加 又は 従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加
産業構造転換枠の個別要件!業種・業態や地域
さらに、産業構造転換枠の個別要件を見てみましょう。①か②のいずれかを満たせば応募の対象となります。
①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に 属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
必須要件①10年間で市場規模が10%以上縮小
①について、原則2019年までの10年間の市場規模の推移を根拠として、対象業種に指定される必要があります。応募申請とは別に「事業再構築補助金産業構造転換枠対象業種・業態の指定申請書」を補助金事務局に提出することで審査されます。
必須要件②対象地域
②については、申請者の所在地が対象地域にあることが前提です。対象地域とは、地域にある大企業や子会社などの撤退によって、市町村内総生産が10%以上減ると考えられる地域のことです。対象地域に指定されるには、自治体が「事業再構築補助金産業構造転換 枠対象地域の指定申請書」を補助金事務局に提出して指定を受けておかなければなりません。そして、申請者は自治体に「市場縮小要件を満たすことの説明書(基幹大企業撤退)」を提出して、自治体からの認定を受ける必要があります。
つまり、②の要件で応募を考える場合は、事業者の所在地が対象地域に指定されていることを確認した上で、自治体によって対象であると認定されなければなりません。
なお、第10回公募での産業構造転換枠の対象には一般の事業者は含まれず、業界団体等のみが対象です。事業者の応募は公募回ごとに追加の様式を設けて行われるとされています。事業者で産業構造転換枠を検討している場合は、最新の公募要領を都度チェックしておくことがおすすめです。
具体的な支援策
産業構造転換枠で受けられる具体的な支援内容は、2023年2月時点で以下のものとされています。
従業員規模 |
補助上限額 |
補助率 |
20人以下 |
2,000万円 |
中小企業:2/3 中堅企業:1/2 |
21~50人 |
4,000万円 |
|
51~100人 |
5,000万円 |
|
101人以上 |
7,000万円 |
引用:事業再構築補助金 令和4年度第二次補正予算の概要(経済産業省)
ただし、第10回公募での産業構造転換枠の対象は業界団体等のみとされています。補助率については企業の規模で分けられているため、公募要領で正確な情報を確認しましょう。
応募申請の注意点
ここでは、産業構造転換枠に応募する場合に注意しておきたい点を紹介します。
賃上げのインセンティブはない
2023年以降の変更点の一つに、賃上げに対するインセンティブが手厚くなる点があります。しかし、対象となるのは成長枠とグリーン成長枠のみであり、産業構造転換枠は対象外です。採択に関する加点措置もありません。
廃業費を含められる
補助対象の経費には、廃業費も含まれます。廃業費を計上する場合は、補助金額の上限は最大2,000万円上乗せされます。事業を立て直さずに廃業したいが、廃業にかかる費用が捻出できないという場合の打開策として有効です。
新枠のため最新の要項を確認する
産業構造転換枠は、実際の公募はまだ行われていない新しい枠です。そのため、2023年2月発表の事前情報では明確ではない部分もあります。産業構造転換枠への応募を考える場合は、公募要領が発表されたら早めに目を通し、不明点があれば補助金事務局へ確認することをおすすめします。
まとめ
従来の事業再構築補助金の補助事業は、事業者の内部で完結するものでした。しかし、新たな枠である産業構造転換枠の取り組みは、業界全体に影響を与える可能性もあります。日本経済をより強くしていくためには事業者の努力だけでなく、地域や自治体との連携も必要となるでしょう。
当社、アクセルパートナーズは、事業再構築補助金の第1回公募から事業者様の支援を行っております。 100社以上ご支援した沢山のノウハウをもとに、お客様の状況に合わせたサポートを提供いたします。 応募申請だけでなく、交付申請、実績報告といった先々のサポートまで、サービスメニューをご用意しております。 事業再構築補助金の申請をお考え、手続きでお悩みの事業者さまは、無料相談フォームよりお問い合わせください。
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この記事の監修
中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾
WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。