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【事例あり】持続化補助金<一般型>採択率の上がる様式2の書き方を詳しく解説

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この記事のまとめ

 

小規模事業者持続化補助金について、概要(対象、金額、補助率、審査、採択率、必要書類など)や、申請書類のなかでも採択率に関わる重要な“様式2”の書き方を丁寧に解説します。採択率が上がるポイントや、具体的な事例も挙げていますので、この記事を読めば、初めて補助金を申請する方や、何を書けばいいか分からないと悩んでいる人も自分で書類を作成して提出できるような構成にしました。

今回は、持続化補助金様式2の書き方を中心に、この補助金がどんなものか解説していきます。

申請書類って書き慣れていないと作るの大変ですよね。特に補助金の場合、しっかり計画練らないと、頑張って書いても採択されなかった!なんてこともあるかもしれません。

どう書けばいいか分からなくて困っている場合などの助けとなるように、この記事を見ながら書けば完成できるよう丁寧に解説していきます。

※この記事は2020年12月時点の情報をもとに書いています。実際に申請する際は最新の情報かどうかご確認ください。

今すぐ様式2の書き方を見たい方は、「重要な“様式2”の書き方を丁寧に解説!」からご覧ください。

書類作成や商工会とのやり取りなど、初めての場合は特に時間がかかると思いますので、余裕をもって早めに準備や申請を行いましょう!

では、様式2へ行く前におさらいもかねて、持続化補助金とは何か、要件、対象などを確認していきましょう。

持続化補助金事業<一般型>の概要をおさらい

そもそも持続化補助金とは何か?

持続化補助金の正式名称は、小規模事業者持続化補助金です。
この補助金には、販路開拓や生産性向上を支援する目的があります。

どんなことに使えるのかの詳細は後述しますが、設備投資、HPの改修やWeb広告の出稿、チラシ作成など、様々なことに使うことができます。
色々ある補助金のなかでも使い勝手の良い補助金と言われています。
ちなみに現在、持続化補助金には<一般型>と<コロナ型>があります。

<コロナ型>については「【事業者向けに簡単解説】持続化補助金<コロナ型>追加募集!12/10締切」という記事で解説していますので、気になる方は、こちらをご覧ください。

今回解説する<一般型>とは、経営計画(後述します)に基づく、取組に要する経費の一部を支援するというものです。

対象者

「小規模事業者」及び、一定の要件を満たした特定非営利活動法人が対象となっています。人数の定義は以下の表のとおりです。

業種分類 中小企業基本法の定義
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く) 従業員5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 従業員 20人以下
製造業・建設業 その他

「商業」とは、卸売業・小売業を指します。
商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法)、中小企業信用保険法、小規模企業共済法の3法においては、政令により宿泊業及び娯楽業を営む従業員20人以下の事業者を小規模企業としております。

どんなことに使えるのか(金額・補助率・補助対象経費)

販路拡大のためのホームページの作成・改良、店舗の改装、チラシの作成、広告掲載、設備投資など幅広い範囲のものが補助対象となっています。

【補助額】

補助上限額 50万円

【補助率】

補助対象経費の3分の2以内

別途、感染拡大防止の取り組みを行う場合は、「事業再開枠」として追加で50万円(定額補助(補助率 10/10))が補助されます。またクラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を実施する事業者(「特例事業者」)に該当する場合は、さらに上限が50万円上乗せとなります。

審査について

補助金のため、申請したもの全てが採択されるわけではなく、審査があります。採択率は次項に記します。

【基礎審査】
基礎審査は、上記4点をすべて満たしていないとその時点で不採択になる基本的な項目です。

①必要な提出資料がすべて提出されていること
②公募要領にある要件に合致していること
③補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
④小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること

【加点審査】
加点審査は、経営計画書・補助事業計画書について行われます。総合的な評価が高いものから順に採択されます。
項目が複数あるので、端的に説明します。詳しく知りたい方は、公募要領のp.58あたりをご覧ください。

①自社の経営状況分析の妥当性→自社の強みなど
②経営方針・目標と今後のプランの適切性→強みや市場を踏まえているか
③補助事業計画の有効性→実現できて目標を達成するために本当に補助金が必要か
HPの作成や、オンラインツールの活用など、ITを有効に活用する取り組みが見られるかもここに含まれています。
④積算の透明・適切性

+<一般型>にのみある加点項目
・賃上げ関係の計画
・事業承継の円滑化
・経営力向上計画の認定
・地域未来牽引企業
・過疎地域に所在し、地域経済の発展につながる取り組み

また、過去に補助事業(全国対象)が採択されている場合は、減点調整が行われるという旨が記してあります。

採択率はどのくらいか?

<一般型>の採択率は、第1回受付と第2回受付をあわせて平均を出すと、約70%ほどの採択率です。
一方<コロナ型>の第3回の採択率が約34%と大幅に下がってしまった例もありますので、補助金の申請は早めの受け付けのほうが良い結果に繋がる傾向にあります。

2020年 申請数 採択数 採択率
第1回受付3/31締切 8,044 7,308 90.9%
第2回受付6/5締切 191,54 12,478 65.1%
合計 27,198 19,786 72.7%

商工会議所管轄かどうかの調べ方と記入様式

まずはじめに、自分の商圏が商工会議所の管轄なのか、商工会の管轄なのかを確認します。

どちらか手っ取り早く調べたいときは、ネット検索で「市区町村名 商工会議所」と入力してみてください。一番上に「~商工会議所」と出てきたら、商工会議所の管轄です。違う場合は、検索結果に「~商工会」が出てきます。
例:
検索ワード「刈谷市 商工会議所」→検索結果「刈谷商工会議所」
検索ワード「守山区 商工会議所」→検索結果「守山区商工会」

管轄の違う様式を使って提出直前にやり直しのパターンはやりがちな失敗なので気を付けてください。

様式は、以下からダウンロードすることができます。
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金商工会議所の管轄地域で事業を営んでいる方)
全国商工会連合会 小規模事業者持続化補助金<一般型>商工会の管轄地域で事業を営んでいる方)

申請様式は単独申請か共同申請(複数の小規模事業者等が連携して取り組む共同事業)かで変わってきますが、ほとんどの事業者さんは単独申請になると思います。

現在(2020年12月)、申請者が記入する様式は基本的に以下の通りです。
・様式1-1
・様式2-1
・様式3-1
・様式5

事業再開枠(感染防止対策に行う取り組みへの補助)も申請する場合は、以下の様式も必要となります。
・様式7-1
・様式8-1
・様式9

≪賃上げ加点を希望する事業者向け≫の参考様式もありますので、必要な方は記入してください。

様式4は、地域の商工会議所が発行するものです。これについては「申請の手順や流れ」という項目で解説があります。

提出の際、郵送の場合に必要な電子媒体(CD-R・USBメモリ等)は、このなかの保存データをもとに審査をするとのことなので、必ず用意しましょう。
必要なデータは以下の通りで、様式ごとに分けて保存してください。電子データは押印前のもので大丈夫です。
・様式1-1
・様式2-1
・様式3-1
・様式5
事業再開枠を希望の場合は様式7~9もあわせて提出してください。

持続化補助金の必要書類に不備がないかなど不安のある場合は、地域の商工会議所などに相談するのがおすすめです。

基本的な提出書類まとめ(単独申請・郵送の場合)

 

様式1-1~5(事業再開枠もある場合は7-1~9)
電子媒体(CD-R・USBメモリ等)

 

【法人の場合】
貸借対照表および損益計算書(直近1期分)

 

【個人事業主の場合】
直近の確定申告書
【第一表、第二表、収支内訳書(1・2面)または所得税青色申告決算書(1~4面)】(税務署受付印のあるもの)または開業届(税務署受付印のあるもの)
※収支内訳書がない場合は貸借対照表および損益計算書(直近1期分)を作成し提出

様式のほとんどは会社名などの必要事項を記入するような書類となっています。
一方、様式2-1は1番重量のあるものとなっていますので、こちらを詳しく解説していきます。

重要な“様式2”の書き方を丁寧に解説!

申請のなかで、1番重要視されると言われているのが、様式2 の経営計画書・補助事業計画書です。
経営計画書は、現在の自社のことを中心に記入する書類です。
補助事業計画書は、補助金をどんなことに使って、会社をどうしていきたいかについて書きます。

書きはじめる前に、重要な点をいくつか記しておきますね!

書く際に意識する重要な点

自社の現状、補助金を使って行うことに一貫性を持たせることが重要です。

【例】「カフェの売り上げが落ちたのでカウンセリング事業をはじめたいマスター」

 

いきなりこれだけ書いて、カフェの説明とカウンセリング事業の説明を書いても、読み手は話の飛躍に驚くと思います。
補助事業として、話をつなぐとしたら、以下のような流れで書くことができます。

 

カフェの売り上げが落ちたので、新しい事業を始める必要性を感じたマスター。カフェを経営しているときに、お客さんから「マスターと話していると癒される」「気持ちが軽くなった」という評価を貰っており、マスターと話すのが目当てのお客さんがたくさんいました。そういった出来事があったため、マスターはカウンセリングの勉強をし、資格を取りました。
一方カフェは、営業時間を短縮しており、そのうえお客様も訪れにくくなってしまい、売り上げが激減しまった状況にあります。そのため、カウンセリング事業をはじめたいのですが、現在対面で行うにはお客様の心理的ハードルがあります。そこで、非対面でカウンセリングを行うために、オンラインカウンセリングシステムの構築と、商圏を全国に広げるためにWEBの露出強化を補助金を使って行いたいと思いました。また、カフェの強みであった自家焙煎のコーヒー豆もセット販売する計画をたてました。お客さんに、自宅でコーヒーのいい匂いに包まれリラックスしてもらいながら、カウンセリングを受けてもらうというメニューを考えています。

 

こういった流れで内容を書けば、経緯となぜ補助金がほしいのかに一貫性が出てくると思います。

〇審査する読み手が分かりやすいように、写真や画像、図表、数値などを盛り込んで伝えることがポイントです。

語尾を統一しましょう。「ですます調」と「である調」が混在すると読みづらくなってしまいます。公式の記載例は「である調」ですが、当社が知っている「ですます調」で申請された書類でも、問題なく採択されていますので、書きやすいほうで統一して大丈夫です。

〇誤字脱字に注意しましょう。書類の確認を他の人に頼むと客観的な指摘をもらえます。

〇本人が書類を書くとき、自分では強みをしっかり捉えられていない場合がありますので、第三者に聞いてみるのもおすすめです。

【強みの例】
・経歴10年以上→この場合、長年続いているということは独自の技術や仕入れルートなどを確立しているため、強みとして書けるものがあると思います。
・天然の素材にこだわっている

〇補助金がもらえるから出しておこうという意識ではなく、補助金を使ってこの事業をしたいんだ!という意思をアピールしましょう。

参考になる記載例

小規模事業者持続化補助金 公式HP 申請について 参考:様式記載例 様式2-1(PDF)
こちらは公式HPの記載例なので内容があっさりしていますが、最低限これくらいは記入して欲しいという項目が網羅されています。
この内容を参考にして写真やグラフを加えれば、いい申請書が書けるでしょう。

一宮商工会議所 小規模事業者持続化補助金 一般型 <経営計画><補助事業計画>記載例(PDF)

ラーメン屋さんがスープの通販を始めるという事業内容です。実際の申請書なので、具体的でとても参考になります。
飲食店の方はもちろん、他の業種の人も自分の事業にアレンジして使える計画書です。
強みの記述と事業展開に一貫性があり、現状分析や将来の売上計画もしっかりしているので、審査する側もこの事業を応援したい!と思える内容になっています。

※一宮商工会議所の例は計10枚ですが、現在の規定は最大8枚程度までです。(Ⅱ.経費明細表、Ⅲ.資金調達方法を除く経営計画、補助事業計画)

記入する際、意識することまとめ

 

現状と補助金を使って行うことに一貫性を持たせる

・分かりやすいように適宜、写真や画像、図表、数値などを盛り込む

・語尾を統一する

・強みが分からない場合、第三者などに聞いてみる

・補助金を使うことで~したい!~になりたい!という意思をちゃんと見せる

・様式2の経営計画、補助事業計画は7枚ちょっと~最大8枚程度作成する

では、いよいよ内容に入ります。
この記事を読みながら記入していけば、ある程度完成できるよう説明していきます。
ただし、このように書けば絶対採択される!というものではないことはご了承ください。また、伝わりやすくなる記載項目例を挙げていく形なので、自分が記入できるものを組み合わせる参考にしてみてくださいね。

書類作成に困ったときは、地域管轄の商工会議所などで相談を受け付けてくれている場合もありますよ!

それでは、順番に経営計画書から見ていきましょう。

経営計画書(内容:現在の自社のこと)

経営計画書の1~3は、事業の全体が分かっている事業主さん本人でなくてもある程度作成できるものとなっています。自社のHPなどに情報が記載されていれば、記入に必要な情報がすでにかなり載っている場合が多いからです。また、ネットなどで調べて信用できるデータを引っ張ってくるという工程もあります。

1.企業概要

自社がどのような会社かどんなお店なのか、読み手に分かりやすく伝わるように書きます。

記載項目の例

 

・店名
・代表者名
・業種
・従業員数
・店舗の詳細(創業や開業、所在地、営業時間)
・座席数
・経営理念
・メニュー
・客単価(平均金額や滞在時間)
・顧客層(男女比、メインの年齢層など)
・売上構成
・経営課題

メニューについては、売り上げが多い商品・サービス、利益を上げている商品・サービスに、どんな特徴があるかもあわせて書きましょう。
飲食店に関しては、この部分は比較的書きやすいと思います。

顧客層は、男女比や年齢、訪れるお客さんの属性など様々な切り口から書けるものを書きましょう。(メイン層、周辺の企業の従業員など)

売上構成は、飲食店などだと、昼8割、夜2割というような形で書けると思います。~人以内の宴会が6割というような側面からも書くことも可能です。

経営課題の例としては、消費増税による売り上げの鈍化、感染症の影響などが考えられます。

また以下のような表があると、店の様子やどのように営んでいて、現状がこうだから計画を行いたいと伝える助けになります。

  売上総額の大きい商品 利益総額の大きい順
順位 メニュー 月額
(2020年〇月)
メニュー 月額
(2020年〇月)
1位 メニュー名  〇万円 メニュー名 〇万円
2位        
3位        
4位        
5位        
 
<業績推移>(単位:千円)
  前々期 前期 今期
  20○○年△月 20○○年△月 20○○年△月
売上高      
売上原価      
売上総利益      
販売費及び一般管理費      
営業利益      
減価償却費      

文字ばかりの書類を見た瞬間って、ウッと思ったりしますよね。きっと審査する人も同じなのではないでしょうか。
店舗の外観や内観の写真、サービス内容(提供する商品など)が分かる画像
も一緒に掲載すると書類が見やすくなっておすすめです。

企業概要に書くこと

 

記載項目の例であげたものや、表、写真、自社がどんな会社やお店なのか、どんな事業を行っているのか分かりやすく伝わるように作成していきましょう!

2.顧客ニーズと市場の動向

マクロ(大きな視点)→ミクロ(小さな視点)の順番だと審査員に伝わりやすくなります。
市場規模など、自社以外の情報を書くときは、インターネットで検索すると参考になる情報が見つけやすいです。他のサイトから画像やグラフを引用する場合、引用元を表記するなど注意してください。

また、調査結果やグラフなど引用する場合は、信用できるサイトを参考にしましょう。
以下のサイトなどでデータが見つかることが多いです。
・国や自治体のデータ(総務省、経済産業省、厚生労働省など)
・矢野経済研究所
・帝国データバンク

今後の市場動向を予測し、それに合わせた事業内容を盛り込むと、整合性のある申請書になります。申請する事業内容は市場から求められているものなんだ、としっかりアピールできる根拠を示しましょう。

顧客ニーズ

〇業界全体からみた顧客の動向
例:オンライン中心のカウンセリング事業をはじめたい→オンラインでのメンタルヘルスの需要が拡大していることを示すデータなどの提示

〇消費者のアンケートなど
例:カウンセリングに求めるもののアンケート調査を提示し、自分の事業にニーズがあることを示す

〇メニューについて
例:コーヒーや自家焙煎にこだわりを持っている人がどれだけいるかなどのアンケート調査で、年々いい豆を自宅で飲みたい人が増えていることを示すデータ

市場動向

〇日本全体でみた市場規模
例:メンタルヘルスの市場規模が拡大しているデータ

〇市内の同業者の件数や状況
例:市内にカフェがどのくらいあって、市の人口当たりカフェがどの程度あるのか、その結果、どういう状況にあるのかなど

〇競合他社について
例:商圏範囲にある競合他店は何件あって、他店の単価はいくらくらいなのかなど

顧客ニーズは、顧客が何を求めているか根拠となるデータを示しましょう。


顧客ニーズと市場の動向で書くことと注意点

 

・マクロ→ミクロの視点で順番に書いていくと書きやすい

・引用する際は、引用のルールと引用元が信用できるかに注意

・データによる現状の把握や、補助金を使ってはじめたいことが効果的であるという根拠になる情報を提示

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み

売り上げの中心となっている商品・サービスを記入します。他社と比較して明確になる「強み」もあります。

お客様の声、評価、口コミなどの外部の評価も記載して、自社の強みをアピールしましょう。

競合他社と差別化している部分も強みになります。

【例】自家焙煎がウリで、マスターが人気のカフェの強み

 

・珈琲豆のクセにあわせた焙煎で、根強いファンがいる
・焙煎歴10年
・口コミサイトで★3.5(3.5以上は全体の約10%などでアピール→信頼できるデータが必要)
・「マスターのおかげで悩みが解決した」「マスターと話して気分が晴れた」「マスターの話が面白いし、丁寧に淹れられたコーヒーがおいしい」などのお客様の声
・忙しいときは焙煎された豆だけでも買いに行くというお客様がいる
・チェーン店では行えないような接客サービスを行っている
・人気カフェの名物店主としてテレビの取材を受けたことがある
・ガイドブックにおすすめのお店として掲載されたことがある
→取材時の様子や掲載ページを添付するのもおすすめ

 

上記のように出てきた強みを、上手く文章に落とし込んで、計画が効果的であることをアピールしていきましょう!

申請書自体は表に出るものではないので、具体的な競合店名などを出しても大丈夫です

4.経営方針・目標と今後のプラン

記載項目の例

 

・SWOT分析(クロスSWOT分析)
・経営方針、今後のプラン
・強みをいかした事業展開
・売上高などの数値目標
・今後の事業スケジュール

SWOT分析を使うと市場機会(他社にない自社の長所や強み)や事業課題を示しやすいです。SWOT分析については「新規事業の準備やサービスの分析に使える!SWOT分析」で詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。

〇【SWOT分析】

〇経営方針・今後のプラン
事業において経営者が日頃から大切にしている理念や、申請する事業の大まかな内容を説明します。
例:カフェの店主が自家焙煎、話を聞く力という強みと生かして事業展開を行うことで、当店の課題を解消し、売り上げ回復、拡大を目指す。

〇今後の事業展開
今後のプランではざっくりした流れを書きましたが、こちらでは具体的な事業展開を示していきます。

〇その他の展開
上記以外に考えている展開があれば書きましょう。

例:数値目標の表

〇<数値目標>(単位:千円)
  2018年 2019年 2020年(今期) 2021年 2022年
売上高          
売上原価          
売上総利益          
販売費及び一般管理営業費          
営業利益          

〇今後のおおまかな事業スケジュール

表の例

今後のプランや経営方針を記入します。あわせて今後の計画も書くと次の書類に繋げられます。
経営目標を達成するために、現在ある自社の課題と、将来どうしていきたいかも計画に含め、プランをたてていきます。

補助事業計画書(内容:補助金で行う計画と自社の未来)

1.補助事業で行う事業名

実は、事業名はとても重要なポイントです。簡潔に事業内容を伝えられる30字以内のタイトルを練って、審査員にアピールしましょう。

審査員は大量の申請書をチェックするので、細かい部分まで読んでもらいない可能性もあります。しかし、事業名は採択者一覧で一般公開されますので、必ず読んでもらえます。
事業名を見ただけで事業内容がおおよそ伝わることが大切です。いろいろ詰め込みたいところですが、文字数は30字以内と決められていますので、オーバーしないように慎重に言葉を選びましょう。
過去の採択者一覧表を参考にするのもおすすめです。

2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容

上記のとおり、経営計画書(自社のこと)で記載した内容と、行う取り組み内容に一貫性があることが重要です。自社の強みを生かし、課題をクリアし、販路を開拓・拡大に繋げる計画を書いていきます。
ITを有効に活用する取り組みがあると、審査の加点となります。
また、具体的な取り組み内容のスケジュール表を掲載すると分かりやすいです。

記載項目の例

 

・計画の概要
・新たなサービスや商品の概要(量や金額など)
・主要ターゲット
・主な周知方法
・これまでと異なる点
・ITを有効に活用する取り組みか
・月ごとの実施スケジュール

3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容

業務効率化(生産性向上)の取組を行う場合は記入します。記入は任意のため、特になければ空欄のまま提出してください。

空欄だと審査に影響があるのでは?と思うかもしれませんが、当社が提出した事例で見る限り、相関関係は見られませんでしたので安心してください。

4.補助事業の効果

行う取り組みによって、どのような効果があるかについて書きます。
数値で表せられる定量的な効果(顧客件数など)、お客様の声などから分かる定性的な効果(商品が良くなった)など、取り組みによってどのような効果が生まれ、事業が持続に繋がるのかを記載します。

数字などで実現性の根拠をしめして、投資が回収できることなどをアピールしましょう。また、新規顧客獲得だけでなく、今後10年20年も経営を持続できる効果が生まれることもしめせるといいです。

あわせて表などで、目標とする売上高や顧客の件数を5年間分ぐらい表記すると、読み手に伝わりやすくなります。

例の表:売上計画(単位:円)

  2021年 2022年 2023年 2024年 2025年
平均客単価          
来店客数/1日          
年間営業日数          
売上金額          

書類が完成したら

必要書類が揃っていないと不採択になってしまうので、足りないものはないか、不備はないかをよく確認しましょう。

記載項目の確認

 

申請書に一貫性はあるか
分かりやすいように適宜、写真や画像、図表、数値などを盛り込んであるか

誤字脱字はないか、読みづらい表現はないか
経営計画、補助事業計画は7枚ちょっと~最大8枚程度におさまっているか

画面でなく、紙で読むとミスが見つかることもよくあるため、プリントアウトして第三者に見てもらうなどもおすすめです。補助金申請の際、重要なのは、ただ通すことでなく、計画をたてて販路拡大に役立てる意識を持つことです。

申請の手順や流れ

申請手続きは、本店登記の事業所が全国商工会連合会か商工会議所かで手続きの流れや書類などが少し変わってきます。
まずはどちらの管轄かを確認しましょう。
※商工会議所もしくは商工会の会員以外でも、持続化補助金は申請可能です。

以下、申請の流れは、商工会議所管轄を例に説明します。

①必要書類を用意し、地域の商工会議所へ

書類が揃ったら、地域の商工会議所で、補助事業者の要件を満たしているか等の確認をうけ、書類(経営計画書・補助事業計画書)を提出しましょう。この他に商工会によっては提出を求められる書類があるかもしれません。
予約制などの場合もありますので、詳細を地域の商工会議所HPで確認してみてください。
→ここで様式4 事業支援計画書等の作成・交付を依頼します。

②締め切りまでに郵送するか電子申請を行う。

レターパックのような記録が残る送付方法がおすすめです。
郵送の場合、持続化は締め切りが【最終日当日消印有効】という場合が多いです。

電子申請する場合は、補助金申請システム(名称:Jグランツ)を利用しますが、その際には、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
GビズIDって何?作成方法からサービス内容まで解説します
提出書類をあらかじめPDF化しておくとスムーズに手続きを行うことができます。

せっかく手間をかけて作成した書類が間に合わないのは悲しいので、余裕をもって提出したいですね!

おさらい 基本的な提出書類まとめ(単独申請・郵送の場合)

 

様式1-1~5(事業再開枠もある場合は7-1~9)原本
電子媒体(CD-R・USBメモリ等)

 

【法人の場合】
貸借対照表および損益計算書(直近1期分)写し

 

【個人事業主の場合】
直近の確定申告書 写し
【第一表、第二表、収支内訳書(1・2面)または所得税青色申告決算書(1~4面)】(税務署受付印のあるもの)または開業届(税務署受付印のあるもの)
※収支内訳書がない場合は貸借対照表および損益計算書(直近1期分)を作成し提出

まとめ

この記事のまとめ

 

持続化補助金について、概要(対象、金額、補助率、審査、採択率、必要書類など)や、申請書類のなかでも重要な“様式2”の書き方を解説しました。
様式2の経営計画書では、現在の自社のことを、補助事業計画書では、補助金で行う計画と自社の未来を項目にあわせ書くことが記してあります。
そして、最後に書類が完成したらどのように申請するのかについて書きました。

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記事監修 横井ゆきえ(中小企業診断士)

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この記事の監修

アクセルパートナーズ 代表取締役二宮圭吾

中小企業診断士
株式会社アクセルパートナーズ代表取締役 二宮圭吾

WEBマーケティング歴15年、リスティング・SEO・indeed等のWEBコンサルティング300社以上支援。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金等、補助金採択実績300件超。
中小企業診断士向けの120名以上が参加する有料勉強会主催。

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